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障害者グループホームの実態

こんにちは!当ブログにご訪問頂きありがとうございます。このページを見ているあなたは、ご自分のお子様が将来入居するためのグループホームを探しているのではないでしょうか?それとも、そこで世話人さんとしてのお仕事を探している方でしょうか?

何れにしても、障害者グループホームについて興味を持たれている事と思います。私も次男が自閉を伴う知的障害者であり、親の立場で息子の入居先を探すために、一時期は毎日検索ばかりしていました。

現在まで見学のみが2カ所、短期利用が3か所、本入居では1カ所のホームを見た事があります。正直申し上げて「良いな」と思ったのは見学のみだったホームと、短期で利用した1カ所のみでした。

どうしてこんなにハズレが多いのか?見学や短期利用や体験の事を話したり書いたりするのは簡単ですが、実際には本人が体験するに当たって様々な手続きや準備が必要です。様々なホームを見聞きし、結論として、現状では親として納得できるようなグループホームは、殆どないと言う事が分かりました。

がっかりですよね、、、(涙)

寿命から考えれば、親は子供の一生涯を見届けることはできません。健常者である他の兄弟は、生きる力を付けてくれさえすれば、心配事は尽きないにせよ、まあなんとか生きていけるはずです。(様々ですが)でも、知的に障害がある場合はとにかく自分たちに何かあった時はどうなるのか?我が子に障害がある親として、大きな大きな不安材料ですよね。

グループホームでのトラブル

私の息子がグループホームへ入居した際に起きたトラブルをお話ししたいと思います。体験者であれば、きっと同じようなご経験があるのではないでしょうか?

食事の問題

先ずは「衣食住」の食から。日々の食事は、人として生きる上ではとっても大切なものですね。1日の始まりとなる朝食、仕事の合間の息抜きとなる昼食、そして1日頑張ったご褒美に夕食と言った感じでしょうか。障害の有無に関係なく、栄養のバランスを考慮した美味しい食事は、心にも体にも良い影響があるはずです。ところが、この大切な食事に力を入れていないホームの方が多いという事はご存知ですか?仕出しの弁当だけ、生協の冷凍弁当のみ等、手作りの家庭的な食事を提供してくれるホームは、殆どありません。冷凍食品が中心なのでサラダなどは一切食べられません。量も少なく、食べ盛りの20代男子にとっては、酷な食事でした。調理方法は湯煎と電子レンジのみ。精神疾患を患った方も受け入れているため、包丁などの刃物類は一切置かないのが方針だそうで、手作りの食事とは程遠い状態でした。また地域が違いますが、2023年の11月には、”株式会社「恵」が運営する愛知県内の複数施設で不正請求の疑い”として大きくニュースで取り上げられ、利用者に提供される食事が余りにも少ないと問題になっています。

お腹が空いた利用者が、台所でウロウロしていたエピソードがニュースで紹介されていました。そんな姿を想像するだけで胸が痛みますよね….。「もっとご飯が食べたい」「量が少なすぎる」と、文句の言えない彼らを利用し、その分の儲けを多く出し、自分たちの利益優先で運営するなんて!許されない事だと思いませんか?

スタッフの質は?世話人さんはどんな人?

知的障害、または自閉を伴う知的障害を持った人たちとの関わりは、ある程度の専門性が求められるはずです。特に、自閉症の場合はその人によって様々な特徴的な行動が見られますよね。では実情はどうなっているのでしょうか?運営の実態がよく分かるサイトがいくつかありましたので、ぜひこのリンク先をご覧ください。

いずれも、高収益が見込めるビジネスである事や、長期運用で安定収益など、親の立場から見れば違和感しかないサイトばかりです。グループホームを探している親御さんたちは、運営の立場で検索などしないかもしれません。でも我が子を守る為、親亡き後も幸せに暮らしていけるように、運営の実態を知っておくべきだと思います。皆さんもぜひ「障害者グループホーム 運営」などのキーワードで検索して下調べをして下さい。上にあげた二つのサイトは検索上位の会社です。他にもグループホームで収益を上げる事を目的とした会社が続々と出てきます。

株式会社GLUG ・グループホームはぐくみ住まいのホームページから↓

株式会社GLUGという仲介業者のページに掲載されていた比較表です。グループホーム事業に参入するに当たり、その他の福祉事業所とどう違うのか?グループホームが他の福祉事業よりも、人事管理が楽である事を印象付ける内容になっています。

この表一つ見ても分かる通り、週一のパートから雇用できる事や、直接支援が「少ない」と強調されています。これは障害者と関わった経験が無く、これからグループホーム事業に参入しようと考えている営利企業の担当者が見たら、どんな印象を持つと思いますか?誰がどう見ても、「気楽な認識で問題ない」と言う印象を持つのではないでしょうか?実際、体験利用したホームでは、近所にお住まいの方が、パート感覚で世話人を請け負っているケース多く「良く寝ているので起こせない」と、本人が通所している事業所の始業時間ギリギリでやっと起床させるような事が起きたり、歯磨きをさせないで就寝させてしまったり、親が不安になるような事が次々と起こりましたし、実際に全国各地のグループホームで、トラブルが続出しています。

療育的な関わりができない世話人さん

また逆に別のホームでは、世話人さんが殆ど全ての事をやってあげてしまう事もありました。親としては、自分でできることは自分でやって欲しいですよね?例えば洗濯機を回す→干す→畳むと言った一連の作業は、殆どの利用者が自分で出来ることです。でも、そこは障害者ですから適度な声掛けと監督が必要です。そこがポイントなのですが、世話人さんが療育的な関わりができるかどうか?が重要です。

正直言って、世話人さんが全ての家事を担えば楽ですね?面倒な障害者とはなるべく関わりを少なくして、さっさと終わらせてしまい、自室に行ってくれた方が楽だと思います。でもそれでは自立訓練施設としての役割を果たしてない事になります。息子は自立訓練ではなく、結果として「介護」の状態でした。入浴も、自分で洗うのではなく、殆ど「洗ってもらう」状態。歯磨きも棒立ちして口を開けているだけで終わりです。息子は、食事、入浴、歯磨きが終わると自室へ行くように促され、一人で毎日ゲームをやり、寂しくて情緒不安定になり、満足な睡眠がとれなくなり、その結果徒歩で通っていた事業所に行く途中で問題を起こすようになってしまい、退所してしまいました。

今考えると、可哀想なことをしてしまったと思います。自閉でお友達と上手に関われなくても、息子は同年代のお友達と一緒に過ごすことが大好きです。みんなで掃除をしたり、ご飯を食べたり、和気藹々とした雰囲気を楽しむ性格です。きっと寂しかったでしょうね。。。涙

最終的には「怖い、おうち帰る」と訴えてきたので、すぐに退居させました。

結論→日本のグループホームは未成熟

最後に結論ですが、国は障害者を郊外型の大規模入所施設から地域生活に移行すべく、1989年に「知的障害者地域生活援助事業(グループホーム)」をスタートさせました。これはノーマライゼーションの理念に基づいた動きで、国は地域にグループホームを整備し「地域で暮らせる」環境を整えるべく、この事業を推進しています。そのお陰で利用可能なグループホームは全国的に急増しました。しかし現状はホームとしての建物は増えたものの、その中で働くスタッフや運営する側の意識が低い事がネックとなり、トラブルが続出しています。ご存知の通り、大型の入所施設には厳格な決まり事がたくさんあります。例えば食事などは管理栄養士が献立を作成し、一定の基準が存在します。ところがそれに取って代わるはずのグループホームの現状は、提供される食事に関しての決まり事が特に存在しません。設立基準も、利用者一人当たりに付くスタッフの人数や面積などの基準はあるものの、運営する事業所に一任されているわけです。モラルの高い事業所に出会えればラッキーですが、利益優先だとしたら利用者本人はたまったものではありません。国はこのグループホーム事業を本気で推進する気があるのならば、ホームの中身に関する「質」を高めるための基準づくりをきちんとやるべきです。

みなさんのご子息が地域で幸せに暮らしていけるよう、体験入所や面談を通じてしっかりと下調べをした上で入所されることをお勧めします!

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